コンセプト

☆くれよん工房のコンセプト

「障害のある人も無い人も共に働き、共に生きる。」という事がくれよん工房創設以来のコンセプトです。当時は、福祉施設が収益を得る事に厳しい目が向けられていると感じていました。

今、内閣府は「障害の有無にかかわらず、国民誰もが互いに人格と個性を尊重し支え合って共生する社会を目指し、障害者の自立と社会参加の支援等を推進します。」として共生社会の実現に向けて意識啓発活動を行っています。こうした中で、福祉施設はいわゆる現場の組織として地域と直接接点を持っていて、共生社会を実践する立場にあると考えます。

私たちは、一生懸命働いて作った商品が売れた時の感動や、もらったお給料で好きな物を買った時の喜びは、障害者にとって、この上ない「生きがい」であり社会参加につながると考えます。

福祉的な同情心からからではなく、地域の方々が「商品を美味しいから、可愛いから」と言って買ってくれた時、「障害があってもこんな素晴らしい商品が出来るんだ」と障害者を理解し、認め、そして、互いに尊重し合える関係につながっていくものと考えます。

また、売上を伸ばして、少しでも高い工賃(給料)を支払う事は、障害者の経済的自立につながり、もらった工賃で自分の好きな物を買ったり、親にプレゼントしたりする行為そのものが社会参加であると考えています。このように、働き、販売し、給料を得て、好きな物を買う、という一連の活動は、地域の人々との関わりなしには成立せず、まさに共生社会の実践であると考えます。

中でも、販売するという行為は、地域の人々との接点となるもっとも緊要な活動です。販売には販路開拓や商品開発が欠かせませんが,越えなければならないハードルも多く、このために、私たちは多くの精力を注いでいます。 そして、障害がっても地域に溶け込んで笑顔で生き生きと生活している姿を思い描いています。


☆くれよん工房の4本の柱

1 利用者に働く喜びを提供したい。

  • ○働いた結果、工賃(給料)という対価を得る喜びを感じて貰う。
  • ①福祉という世界に甘えることなく、いい商品を作り、一般の方々に認められる商品を作りたい。  キーワード:カワイイ、オシャレ、オイシイ。
  • ②商品の販売活動に力を入れ、売上を倍増させ工賃に結びつける。
  • ③工賃を得る喜びを感じて貰う。自分が得た収入で使う喜びを感じてもらう。
  • ○利用者の個性・特徴にあった作業を提供し、作業を自ら完成させることで達成感・充実感を得る。

2 共に生き共に働く。

  • ○利用者は、指導される立場ではなく、お互いに助け合う関係である。
  • 職員は指導者ではなく、利用者が自分の目標に向かって努力するのを援助するサポーターである。
  • ○障害があるがゆえに能力に個人差があるが、それは人間の個性・特徴であり、特徴に応じて仕事を シェアし、各自が自分の能力の範囲で働き、全体の仕事を完成していく、ともに働く仲間である。
  • ○利用者と職員、ボランティアの関係は対等であり、仕事の差別はしない。(職員が監督指示し、利用者が指示通りに動く、という構図は作らない)

3 利用者が社会性を身につけ、多くの人と関わり、心豊かな生活が送れるようにしたい。

  • ○日常的な社会生活が送れるよう自主性を身に付ける。
  • 作業や行事、日常の活動を通して、自分で行動できるようにする。
  • ○先輩、友人、他人との付き合い方、かかわり方、楽しみ方を身に付ける。
  • ①積極的に外に販売に行き、社会との接点を多くする。
  • ②多くのボランティアに毎日入ってもらうことで、いろいろな人と付き合えるチャンスをつくる。
  • ③友人とのいさかいもたしなめるのではなく、関係を修復出来るよう促す。

4 障害をもった人だけの世界を作らない。施設のオープン化。

  • ○障害のある人だけが働く場ではなく、障害のある人もない人も一緒に働き、社会参加するという雰囲気を提供するため、多くのボランティアに参加してもらい、明るい作業場にする。
  • ○特定の人の出入りする場ではなく、いつでも色々な人が出入りできるようにし、常に弱い立場の人達が一般の人々から見守られるようなシステムを作る
  • ○お店やカフェ等を設けて一般の人々が自由に出入りし、メンバーの働く姿を自然に目にする場を作る。
  • ○地域の子供さんや母親を対象に、クッキー作りやアクセサリー作りのワークショップを行い、メンバーも作業を援助することで理解を深める。